2015年4月1日水曜日

僕にとって脱ステロイドとはなんだったか①



脱ステロイドとは

今更説明するまでもないと思いますが、脱ステロイドは長く依存的に使ってきたステロイドを止めることであり、それにより時として壮絶なリバウンドが起こり、かなりひどい症状がでてくるものです。
今はネットで脱ストロイド中の症状の写真などもたくさん公開されているので、少し調べればその症状を理解することができます。

脱ステロイドという言葉は、アトピーの人にとっては希望や苦悩、様々なニュアンスや背景が込められた、すごく重い言葉ではないでしょうか。僕にも脱ステロイドに夢をいだきその苦行に走った経験があります。



my first steroid stopping






僕が初めてステロイドが体に悪いのではという話を聞いたのは中学3年の時でした。その頃にだんだん普及してきたネットで偶然にステロイド依存症の話を読んだのです。

その時、僕は小学校の頃から皮膚科医にステロイドを処方されており、もう何年も何も考えずにステロイドを使用していました。その時はステロイドの種類など意識もしませんでしが、今思いだすとstrongのランクのリンデロンVをもらっていたと思います。


僕はもう何年も同じ治療を続けて治っていなかったにもかかわらず、あまり深く考えずこのままステロイドを塗り続ければアトピーが治ると信じて疑わなかったのです。



こんな青春時代がくるとは夢にも思わなかった





僕が読んだステロイド依存症の話は、ステロイドを長く続けていた人はステロイド依存の体になっており、ステロイドなしでは生活できなくなり、その間に様々なステロイドの副作用がでる可能性があるというようなものでした。


僕は読んでものすごくショックを受け、その日からステロイドを塗るのをやめました。多感であまり冷静にものを考えない中学生だったので、思い込んだらすぐに突っ走りました。そして、薬をやめて一週間程度で猛烈なリバンドが襲ってきました。


授業を受けていても体が痒くて痒くてたまらないなか、アトピーはどんどん僕の体に広がっていきました。その時、僕は受験生で高校受験を行いながらのリバウンドだったので、精神的にもかなりきついものがありました。体はどんどん自分で見るのもいやなくらいアトピーで埋められていき、ものすごいかゆみが全身を襲い、書いた後はひどい痛みと後悔の念が襲ってきました。


もう僕は高校受験をやめて一年治療に休みたいとまで思っていましたが、やっとの思いで試験を受け、高校はなんとか奇跡的に受かり僕はリバンウド中に高校に入学しました。



友達ができない!

高校時代に、びっくりしたことは僕は高校で友達がほとんどできなかったことでした。自分の見た目を気にしてしまい、何をするにも二の足を踏んで、今までと同じような人間関係が作れなかったのです。

症状も苦しいし、友達もできないし、アトピーのせいで部活も入れませんでした。精神的には一番辛かったころだと思います。


しかし、この頃に、逆にやさしくしてくれる友達や先生と出会い僕は世の中がどういうものかを考えるとてもいい機会にもなりました。この時、声をかけてくれた人、優しく相談に乗ってくれた人は今でもよく覚えています。前の自分には見れなかった人々の違う面をこんなにはっきりとみれたことはこの時だけだったと思います。


脱ステロイドの夢

脱ステロイドの話には必ずと言っていいほど、脱ステロイドをするとアトピーが治るという信仰がついてきます。
僕が本当にきつい脱ステロイドを続けたのも基本的にはそれを信じていたからだと思います。
今考えれば馬鹿な話だと思いますが、当時はそれが僕の人生にかけられた希望の橋のように感じました。脱ステロイドの壮絶な辛さはそのためのハードルであるように感じたのです。


その後




高校に入って次第に症状は落ち着いていきましたが、アトピーが治ることはありませんでした。
脱ステロイドの苦行を乗り越えればアトピーが治るのではないかという淡い期待はゆっくりと打ち砕かれ、僕は脱ステロイドが自分にとって何だったのかを理解できぬまま、アトピーとは何か、アトピーはどうすれば治るのかということを、自分の人生はどうなるのだという不安を抱えながら探していくこととなったのです。
このころから、僕には脱ステロイド中のとにかく症状がきつい苦しさに代わって、もっとにぶく重くのしかかる精神的な苦しさがのしかかってきたのでした。


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